頭頸部再建 │ 浜松医科大学医学部附属病院 形成外科

エントリー

頭頸部再建

introduction.01導入

 主に耳鼻科領域での頭頸部癌切除後の再建を行っています。頭頸部再建で重要なことは、嚥下機能や構音機能などをできるだけ温存することです。また頭頸部は目に触れる部位であり、整容面でも患者さんが満足できる結果が求められます。切除範囲、患者さんの性別、年齢、ADL、体格、希望などを総合的に考えたうえで最も適した再建方法を選択することが重要になります。

introduction.02ポイント

 一般的に欠損創の再建方法としては遊離皮弁、局所皮弁、植皮術などが挙げられます。その中で、頭頸部には遊離皮弁を用いた再建を多く行っており、昨年度は40例程度の症例で遊離皮弁を選択しました。遊離皮弁では顕微鏡下での血管吻合が必要であり、多くの形成外科手術の中でも高い技術が要求される手術となります。また、機能や整容面でより満足していただける結果を出すために、ただ欠損部を被覆することを目的とするのではなく、新しい皮弁の選択や手術方法の工夫など、日々チャレンジ精神を持って臨んでいます。

introduction.03症例

左下顎骨の再建

遊離腓骨皮弁のデザイン

左下顎骨の再建

この治療のやりがい

 長時間手術が多いこと、術後頻回に吻合血管のモニタリングをする必要があること、失敗が患者さんにとって大きな損失となるというプレッシャーがあることなど、体力や精神面で大変な部分はあります。しかし、遊離皮弁による再建は形成外科の中でも花形と呼べる分野の一つであり、多くの知識と高い技術を必要とする手術を成し遂げられたという充足感が得られ、自分が形成外科として成長できたことが実感できると思います。

執筆 診療助教 太田悠介