先天奇形 │ 浜松医科大学医学部附属病院 形成外科

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先天奇形

introduction.01導入

 外表先天奇形には多くの疾患がありますが、口唇口蓋裂・小耳症など耳の奇形・多合指趾症など手足の指奇形・眼瞼疾患が診療の中心です。外表先天奇形の治療で大切なことは、手術後も成長とともに機能的、整容的変化が伴ってくることを知っておくことです。このため、患者さんのQuality of Life(生活の質)を常に高いレベルに維持するためには、いつどんな治療をすれば最も患者さんのためになるか、疾患ごとに知識が要求されます。さらに、患児一人ひとりの精神的な問題も把握しておく必要があります。

introduction.02ポイント

 たとえば、唇顎口蓋裂では、超音波診断において出生前から診断がつきますので、そこからご家族への説明が始まります。生後3ヶ月での口唇形成術、1歳半ころの軟口蓋形成術(当科では硬口蓋形成術は6、7歳で行っています)、8、9歳での顎裂部骨移植、15歳以降の外鼻形成術、顎変形症手術が主な手術ですが、言語訓練や歯科矯正など他科の協力がなくてはできない治療も多く有ります。私たちは、浜松医科大学の教育関連病院である浜松医療センターとともに、県西部の多くの患者を治療してきた実績があります。形成外科がゲートキーパーとなっていますが、その都度関連各科と連絡を取り合って、レベルの高い治療が可能となっています。

introduction.03症例

この治療のやりがい

 外表先天奇形の患者さんは、生まれてすぐ、あるいは生まれる前からお付き合いが始まります。そして、私たちができること、限界があることをご家族に説明しながら、ご家族と一緒に子供さんの成長を見守っていきます。形成外科的な知識と技術を駆使しながら、1人の患者さんの成長を追っていけるのがこの治療のやりがいです。

執筆 浜松医療センター 形成外科 深水秀一(前教授)